精液抗酸化力検査について
培養部
培養部ー精子について
抗酸化力検査とは...
前回、前々回と「酸化」ついてお話しさせていただきました。今回は当院で行っている「精液抗酸化力検査」についてお話しさせていただきます。
軽く振り返りとしまして、体内で発生した活性酸素によって、精子やその他様々な細胞がダメージを受けてしまうことを酸化であるとご説明しました。
詳しくは→https://yanaihara.jp/blog/540
精子がダメージを受けると精子DNAが損傷します。DNA損傷精子が多くなるほど受精率や妊娠率は低下し、流産率が上昇してしまうと言われています。※1
また、酸化ストレスやDNA損傷の状態は通常の精液検査で判別することができないため、濃度・運動率が正常であっても、実際良好な精子は少数であると言ったこともあり得ます。
以上の事から、抗酸化力という見かけ上では判断できない精液の「質」を検査するのが抗酸化力検査になります。
詳しい内容はこちら→https://yanaihara.jp/assets/images/oldblog/oxidative_stress_test.pdf
酸化ストレスという見かけ上では判別できない男性不妊の原因を突き止め、適切な治療および改善を行うための一つの指標となる検査です。
出典
※1 Oxidation of Sperm DNA and Male Infertility 2021 Jan 12;10(1):97. doi: 10.3390/antiox10010097.
Oxidative stress and motility impairment in the semen of fertile males