老化の原因、「酸化」とは? 前編
酸化とは...?
「酸化」というものをご存知でしょうか?
食べ物などが悪くなる原因、金属が錆びる原因など、何となく想像できるかと思います。概ねご想像の通りでお間違いありませんが、自分以外の様々な「物」に対してのみ影響のあるものだと考えてはいませんか?現実には「物」のみならず、ご自身も「酸化」しています。
健康に気を使っている方や、アンチエイジングなどにご興味のある方はご存知かもしれません。酸化とは、簡単に言ってしまいますと「老化原因の一つ」であり、生きていく上で必然の反応です。
酸化の仕組み
生物は大気中に存在する酸素を利用し、生命活動を維持しています。呼吸により取り込まれた酸素は、食事によって同じくとりこまれた栄養とともにエネルギーとなります。このエネルギーを作る際に酸素を利用し栄養素をエネルギーへと変換する、この時一部の酸素は活性酸素と呼ばれるものに変化します。このほかにも様々な理由や、生体機構によって活性酸素は発生していますが、この活性酸素の発生、ひいては活性酸素が他の物質(DNA、卵子や体を構成するタンパク質など)に結合することが、人体における「酸化」の仕組みとなっています。
酸化が起こる際、細胞はダメージを負ってしまいます。その結果、細胞の機能や構造に悪影響を及ぼすこととなり、最終的には血管の老化や細胞の死滅、はたまた受精障害等を引き起こす原因にもなります。
活性酸素は悪者か?
上記の説明だけでは活性酸素は人の体にとって悪いものでしかないと思ってしまいそうですが、そんなことはありません。活性酸素は免疫等に利用され、細菌やウイルスからの感染防御としての機能や、細胞同士の情報伝達(シグナルとして、排卵や卵成熟に寄与する)など人体にとって必要なものでもあります。しかし、ネット上で酸化と調べると多くの場合、活性酸素は非常に危険なものとされ忌避される存在としてのイメージが強いように思えます。害あるものという認識ではなく、必要不可欠であるものの薬のように多すぎれば毒にもなる、気にかけなければならない存在だと認識していただければと思います。