女性は、年齢を重ねることで卵子の老化が起こり、妊孕性(妊娠する力・機能)が失われていきます。
そのため、ご本人の希望により妊孕性を温存するために卵子を凍結保存することが技術的に可能です。卵子を凍結保存するということは、若い卵子の状態で時を止めて保存するということです。卵子を凍結保存することにより、将来の妊娠出産に備えることが可能ということです。今は仕事が優先で、いずれ子供を産み育てたいとなった時に、卵子の老化によって諦めるしかないという選択肢以外に妊娠の可能性の選択肢をもてるということです。
融解した卵子の生存率は現在の医療においてはまだそれほど高くはありません。卵子凍結が及ぼす影響や凍結された卵子で妊娠する可能性と妊娠した場合の安全性など、まだまだ分かっていないことが多いため、そのリスクを理解していただいた上で慎重にご検討ください。
社会的卵子凍結の適応
- 本人の同意に基づき行われます。
- 凍結卵子を融解し、配偶者精子と受精した胚の凍結保存は、本人並びに配偶者の同意に基づき行われます。
- 未成年者は適応外です。
- 採卵する年齢は43歳までとします。
※年齢が高くなるほど妊娠・出産のリスクが大きくなるため、できるだけ早く妊娠に向けての治療を開始することをお勧めします。
卵子凍結保存までの流れ
卵子の状態は年齢によってかなり左右されます。超音波検査やホルモン検査などで事前に知ることができません。
採卵をすることによってはじめて卵子の状態を知ることができます。
卵子の凍結保存の処置は当院で行います。基本的に保存期間は1年となります。その後は、ご本人契約の業者施設へ移送することになります。凍結卵子の移送については専門業者へお問い合わせください。