培養室のお仕事~精液検査~
今回から、培養室で行っている仕事について1つ1つ説明していきます。
まず今回は当院の患者様の多くが経験されている、精液検査についてです。
精液検査は患者様から提出された検体をもとに、精液量、精子濃度、精子運動率、総運動精子数を培養士が測定するものです。測定方法はマクラーチャンバーという専用の測定器に精液をのせて、顕微鏡で観察し、精子数などをカウンターで測定します。
マクラーチャンバーには精液をのせる部分にマス目がついていて、顕微鏡で観察するとマス目上を精子が動いているように見えます。このマス目を利用することで、1mlあたりの精子数などが算出できるような構造になっています。
カウンターで測定するなんてとても原始的…!!と思われた方も多いでしょうか。当院の新人培養士が初めにトレーニングを積み、臨床業務に入るのがこの精液検査ですが、精度が安定するまでは培養室長(胚培養士のトップです)が常に結果を確認し、正確な検査結果を出すようにしております。
開院当初よりカウンターでがんばってきた当培養室ですが、2018年6月より、CASA(精子運動解析装置)を導入することとなりました。
この装置の高度な画像解析技術により、今まで人の目視で測定していた精子濃度や運動率などをボタンひとつで自動解析することができます。目視での検査は、どうしても検査者の主観が結果に影響してしまいますが、CASAのコンピューターによる解析では客観性のある検査結果を出せるようになります。CASAは様々な会社が開発をしていますが、当院では国産CASAであるSMASを導入しています。
SMASのHPはこちらhttp://www.ditect.co.jp/smas/
わかりやすい動画等も掲載されておりますので、興味のある方は是非ご覧下さい。