神奈川県の不妊治療専門クリニック 矢内原ウィメンズクリニック

ビタミンDについて ②

培養部

前回、ビタミンDのはたらきや不妊との関係についてお話ししました。では、具体的にビタミンDをどのように摂取すべきなのでしょうか?

ビタミンDは2種類あり、植物由来のビタミンD2と動物由来のビタミンD3があります。D2はシイタケやキクラゲなどのキノコ類に、D3はサケ・イワシなどの魚類に多く含まれています。人体では吸収後、どちらも肝臓等で区別なく同じ形[25(OH)D]に作り替えられ、同様の働きをします

ビタミンDは日光を浴びることでも体内で作られます。1日に1回、15~30分程日光を浴びると、必要最低量のビタミンDが生成されます。そのため、健康な人が適度な日光のもとで生活している場合、ビタミンDが不足することは少ないと言われています。

しかし、屋外での活動量が少ない場合や、雨や曇りの日など、天候によって日光被照射時間が減少してしまうことも十分にあります。そのため、ビタミンDを食事から摂取することが望ましいです。また、日光を避けている方や、日焼け止めを使用されている方の場合、ビタミンDを多く含む食品を取り入れるか、サプリメント等で補うことで必要量を摂取するとよいでしょう。

一日の必要摂取量目安

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2015年版)」では、成人について1日のビタミンDの食事摂取目安量として、最低5.5 μg上限100 μgを推奨しています。(18歳 以下、妊婦、授乳婦では異なります。)

性別 男性 女性
年齢 目安量 耐容上限量 目安量 耐容上限量
18歳以上 5.5 100 5.5 100
妊婦  

 

7.0
授乳婦 8.0

表.1 [日本人の食事摂取基準(2015年版)ビタミンDの食事摂取基準(㎍/日) より]

具体例

・サケ 一切れ/80g      25.6μg

・干しシイタケ 2個/6g   0.8μg

(公益財団法人骨粗鬆症財団 [ビタミンDを多く含む食品] より)

※ ビタミンDは脂溶性であること、日光による生合成が可能であるという点から、一日における摂取上限があり、多量のビタミンD 摂取を続けると高カルシウム血症、腎障害、軟組織の石灰化障害などの原因となります。食事で摂取上限を超えることは稀ですが、サプリメントを使用する場合は摂取量には十分に気を付けなければなりません。

最後に

日々の食事がそのまま自分の体を作っていきます。バランスの良い食事を続けることは非常に大変なことではありますが、不妊だけでなく日々の健康のためにもビタミンDを含め、様々な栄養を適量とっていくことが大切です。

 

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