~学会参加レポート~ 2019 受精着床学会 ③
培養部
培養部―学会参加レポート
③タイムラプス観察について
タイムラプスとはなにか、という説明は当院HPの“タイムラプスについて”という項目をご覧下さい。
タイムラプス観察は胚評価(卵の見た目の評価)に有効かどうか、という発表を聞いてきました。本来であれば、受精卵は1細胞→2細胞→4細胞→8細胞と、1つの細胞が2つの細胞へと分裂していきます。しかし実際のところ、1細胞→3細胞への分裂(第一卵割異常)、1細胞→2細胞→5細胞への分裂(第二卵割異常)が起きる卵も少なくありません。そこで、分割期胚において“卵割異常の有無”と“見た目の評価(例:8-2など)”を併せて移植する卵の優先順位をつけたところ、妊娠率は正常に分裂をした卵で最も高く、次いで第二卵割異常胚、第一卵割異常胚であるとの報告でした。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、当院でも今年の5月からタイムラプスインキュベーターでの培養を開始しました。10分間隔で卵を撮影しているため、時間を遡っての細やかな観察が可能になり、受精確認時のPN(前核)観察がより正確になりました。また今回の発表と同様に、当院でも分裂の仕方を評価していますので、当院での成績を早く皆様にご報告できれば良いなと思っています。
最後に、初めての学会参加ではありましたが、様々な病院・クリニックが常に技術の向上を目指しているのだと肌で感じ、とても良い刺激を受けることができたことに感謝をして終わりたいと思います。長々とした学会参加報告になりましたが、最後までお読み下さり、ありがとうございました。