受精後…胚の成長 初期胚から胚盤胞まで
前回は受精したらどのような変化が卵にみられるのか、図を使っておはなししました。今回からはそのあと、受精卵がどのように成長していくのかを説明していきます。
前回の復習になりますが…
成熟卵:第一減数分裂が起きて第一極体が見えているもの
→成熟卵へ精子が侵入
→受精兆候のある卵:第二減数分裂が起きて第二極体が見えているもの
→正常受精卵:2つの前核が卵細胞内に見えているもの
でしたね。
前回は図で表しましたが、実際の受精卵の写真がこちらになります。少し見づらいですが2つの極体と、まんまるな前核が2つ確認できますね。
受精卵は最初1つの大きな卵細胞をもっていますが、これがどんどん分割していきます。
こちらが最初の分割後です。1つだった卵細胞が2つになり、細胞自体の大きさも半分ほどになっていますね。
順調に成長すると受精後2日には4分割、
3日目には8分割以上にと、どんどん割れていきます。
このような状態の卵が“分割胚” “分割期の卵” “初期胚”などと一般的に呼ばれるものです。
4日目:1度分割していった細胞がくっついて1つにまとまってきます。
“桑実胚”(そうじつはい)または“Morula”などと呼ばれます。
5日目:かなり形が変わってきます。細胞がくっついているかたまりの中に空間(空洞のようなもの)ができてきます。
この空間ができてきますと、“胚盤胞”(はいばんほう) “Blastocyst”と呼ばれる状態になります。
最初は小さかった空間が広がって、卵自体も大きく広がっていきます。
受精直後のおっきいまんまるな1つの細胞から、3日目の分割胚、5日目の胚盤胞と、たった数日の間にかなり劇的に見た目が変化していますよね。ちいさなちいさな卵なのに、生命力を感じます。
*注意点!!今回お話しした卵の成長過程、成長スピードは順調に育った卵の場合です。このあと詳しくお話ししますが、分割胚の状態で成長が止まってしまう卵や、六日目になってから胚盤胞になる卵など様々です。