不妊と体重の関係性について ①
培養部
毎日の生活の中で食生活を規則正しくするのも大変ですが、時間のない中で適度な運動を行うのはさらに大変なことだと思います。しかし、それでも運動や体重管理をお勧めしているのは理論的な理由があります。
まずはそれを裏付ける論文からご紹介します。
「妊娠前の母体の肥満や妊娠中の過剰な体重増加は、出生児の短期的な合併症のリスクのみならず、将来にわたり様々な疾患のリスクを上昇させる。具体的には肥満、糖尿病、心疾患、メタボリック症候群、癌、骨粗鬆症、喘息、神経疾患等が挙げられる。したがって、妊娠前及び妊娠中のライフスタイルは児の将来にとってとても重要である。」
~BMIFertil Steril 2019より~
「不妊治療前に妊娠率を上げるための食事療法として地中海式ダイエットよりもプロファティリティダイエットをしっかりと行った女性は体外受精による出産率が上昇することがわかった。プロファティリティダイエットとは、葉酸、ビタミンB12、ビタミンDのサプリメント、残留農薬レベルが低い野菜や果物、全粒穀物、魚介類、乳製品、大豆食品を多くとり、残留農薬レベルが高い野菜や果物が少ない食べ方。」
~Am J Obstet Gynecol 2019より~
「BMI25以上の肥満女性において10分間以上の歩行は妊娠率を上昇させた。また、1週間当たり激しい運動を4時間以上試みたすべての女性で妊娠率が上昇した。
~Human Reproduction 2018 Julより~
ご紹介したのは一部ですが、このように体重と不妊には密接な関係があると述べている報告は多数あり、適切体重を保つことは自身の健康はもちろん、妊娠率の上昇に寄与することがわかっています。