トライアルIVF について
当院では、妊娠の為だけでなく検査の目的も兼ねた採卵を行っています。
この採卵を「トライアルIVF」と呼び、AMHや精液検査などの検査だけでは分からない「卵子」もしくは「精子」に受精能力があるのかどうかを調べるために行っています。
通常の採卵との違いは「卵巣刺激」を行わない点にあります。そのため、通常の採卵と比べ身体的負担が少なく、通院回数等も抑えられます。また、通常の採卵と同様に「特定不妊治療費助成」の対象となっているため、費用面でも患者様の負担が比較的少ないものとなっております。一方で刺激を行わないことから獲得できる卵子数が1個程度となるため、これらの性質上「検査の意味合いも含めた採卵」だと考えていただければと思います。
流れとしまして、月経2~3日目で来院していただき、超音波検査や血液検査等採卵の為の検査を行います。月経8~10日目で卵胞発育状態を検査し採卵日を決定します。採卵は※自然周期(卵巣刺激の無い)にて行い、採卵当日に提出していただいた精液を用いた体外受精(ふりかけ法)で受精を試みます。(この時、精子量に関わらず、顕微授精は行いません)
※場合によっては卵巣刺激を行う場合がございます。
その後
正常受精卵が得られた場合 → 3日間培養し、新鮮胚移植を行います。
正常受精卵が得られなかった場合 → ふりかけ法では正常受精が得られ難い可能性があることが分かった為、次回採卵は通常採卵になります。
最後に
体外受精をはじめとする高度生殖補助医療というものは、妊娠を補助する医療行為のなかで最もその効果を期待できるものです。しかし一方で、初めての採卵や注射、それらに伴う費用など患者様にとって大きな不安も伴うことだと思います。「トライアルIVF」は検査としての効果だけでなく、不安の軽減や体外受精などをよく知るきっかけであり、AIHからのステップアップ先の選択肢の一つとして提示しております。