Fertility and Sterility 2011 Marより
世界の論文から
胚のfragmentation、不正な割球の存在などは、胚の生存能にネガティブな影響を与え妊娠率を低下させる。fragmentationの原因が何か、まだ不明な点が多い。卵の膜の脂質の異常が関わっているのではないかと指摘する報告がある。
反復流産症例に免疫グロブリンの静脈投与をしても生児出産率の上昇は期待できない。また、免疫グロブリン投与が有効であるという症例を特定できない。
XXの胚とXYの胚において胚盤胞へ到達する割合はほぼ同様であった。正常と異常の染色体の割合にも性差は認められなかった。
19年7ヶ月という長期凍結保存された胚を融解し移植し、妊娠が成立、健児の出産に至った。現在までの報告で最長の凍結期間である。
自然妊娠したグループと、FSH製剤を使用し排卵誘発をさせて妊娠したグループとを比較し、流産した胎児の染色体異常に差はなかった。FSH製剤の注射により排卵誘発をしたとしても、染色体異常のリスクは上昇しないことが示唆され