神奈川県の不妊治療専門クリニック 矢内原ウィメンズクリニック

Obstet Gynecol . 2025 Oct より

世界の論文から

Neurodevelopmental Outcomes of 3-Year-Old Children Exposed to Maternal Severe Acute Respiratory Syndrome Coronavirus 2 (SARS-CoV-2) Infection in Utero
妊娠中に母親がSARS-CoV-2(新型コロナウイルス)に感染した子どもの3歳時点における神経発達への影響

米マサチューセッツ総合病院2020年3月~2021年5月の間に生まれた1万8000人あまりについて、母親の新型コロナ検査記録や3歳までの子どもの神経発達症の診断記録を調査した。その結果、子どもが神経発達症と診断される確率は、母親が妊娠中に新型コロナに感染していた場合は16%以上だったのに対し、母親が感染していなかった場合は10%に満たなかった。他の要因を調整するとリスクが1.3倍高いことになり、全般的にリスクが高いのは、男児の場合で母親が妊娠後期に新型コロナに感染した場合だった。これまでの研究からは、男児の胎児は脳が母親の免疫反応の影響を受けやすいことや、妊娠後期が脳の発達にとって極めて重要な時期であることが分かっており、診断の中で最も多かったのは言語および運動機能の発達の障害と自閉症だった。自閉症と診断された子どもの割合は、母親が妊娠中に新型コロナに感染した場合は約2.7%、感染していない場合は約1.1%だった。今回の研究対象としたのは新型コロナの感染拡大初期の症例で、ワクチンはまだ普及しておらず、調査対象の母親の約93%は新型コロナのワクチンをまだ一度も接種していなかった。

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