学会報告 その3
女医さんの報告
さて 学会の内容はといいますと…。
大きい学会なのでディスカッションの内容は多岐に渡ります。
卵と精子の培養方法について、注射種類について、採卵の結果について、カウンセリングについて、体外受精で生まれたお子さんの経過について、手術について……などなどなど。
今回気になったトピックは。
『IMSI』という 顕微授精をする際に、顕微鏡の倍率をあげて精子を大きく見せて観察しながら精子を選ぶ方法が妊娠率をあげるぞ、ということで3、4年前ほどに大流行したのですが、
精子や卵子を取り扱う培養士さんたちが注意深く操作すれば従来のやりかたで成績は変わらない、という結論になっていました。
卵子と精子を受精させた後の培養液の内容を分析することにより受精卵(胚)のアクティビティが(元気度のようなもの)が分かる、ということで1、2年前に盛り上がりを見せたのですが、はっきり妊娠率には結びつかない、ということになっていました。“受精卵(胚)の質”を見るというのはとても難しく、現段階では見た目で判断をしているのです。それが、“機能”で判断できるようになるのかと昨年の学会のときに感動したのですが、残念でした…。
この世界にも流行り廃りがあります。患者さんに無駄な負担をかけないよう、見極めないといけないと肝に銘じました。
体外受精をする際には排卵誘発剤という注射が必要なのですが、その注射の種類により妊娠率が変わるか?という大規模な数での検討結果がありました。最近は、遺伝子組み換えを用いたpureなFSHというホルモンだけの注射剤も出ているのですが、LHというホルモン入りの注射の方がいい、というような結果でした。自分の感覚とは合っていたので安心しました。使い方なんでしょうね。。